クリスマスプレゼント

 ヨーロッパのクリスマスは家族で過ごすのが一般的です。

ここ何年かは、相方ブルノーのお母さんや叔母さんのお家でご飯を食べるのが習わしになっていましたが、今年は、ブルノーが家族と喧嘩をしてヘソを曲げたので何もなしとなりました。

もとよりコロナで人数制限があるのですから、よかったのかも。

クリスマスイブの日に、ブルノーがパリからフォアグラを持ち帰ったので、それで良しとしましょう。焼いたトーストに乗せて食べました。

いつもは、毎年この時期、生牡蠣を食べに行きます。

夏でも食べられるところもありますが、やっぱり冬の牡蠣はプリプリで美味しい。

私は、クリスマスマーケットで立ち食いするのを楽しみにしているのですが、今年はコロナの影響で、こちらもなしになりました。 

 

牡蠣といえば、私とブルノーが大好きな牡蠣専門レストランが、中心街のアーケードの奥にありました。小さなカウンターだけの店で、ボーダーのシャツを着たヒゲのおじさんが牡蠣を開けてくれます。

映画に出てくるようなお店でした。

特別な時には必ず行っていたのですが、1年前に閉店してしまい、今はもうない。さみしい限りです。

 

ああ、今年はないない尽くしです。

 

そういえば、今年はまだVin chaud (ホットワイン)を飲んでいないですね。

こちらも冬の風物詩です。うちで作ってみようかな。

作り方はこちら。

https://www.youtube.com/watch?v=S2ivcM9kSoc 



 

カトリックの国には、アドベントカレンダーというものがあります。

12月の初めからクリスマスまで24個の窓があり、子供が毎日一つずつ開けて、中に入っているキャンディやチョコレートをもらえるという楽しいカレンダーです。19世紀の初めにドイツで始まった習慣だそうです。

そういえばクリスマスツリーもドイツから始まったと聞きました。

樹木信仰が強かったゲルマン民族の間で、キリスト教と結びついたようです。


アーテイストのレアが、24人の友達に声をかけて、みんなでアドベントカレンダーをやろうと言い出しました。

一人一人が自分を含めて24個のプレゼントを作って交換し合うのです。

プレゼントはどんな物でもよくて、例えば石ころや木の枝でもオーケー。

どんなことになるかなあ、と思っていましたが、22日にブリュッセルの街の中心にある公園に集まって、プレゼントを交換し合いました。

本当だったら、そのままみんなでパーティーだと楽しいんだけど、ポリスがウロウロしているかもしれないので、そんなに長居もできません。プレゼント交換の後は、それぞれが近況報告などし合っていましたが、最後は雨が降ってきたのでお開きになりました。

 

私のプレゼントはこちら。半透明の封筒に入れた手作りの絵葉書。


 

押し葉を入れて、思いついた言葉を書きなぐってみました。

葉っぱを取り出すと、そこだけ押し葉の形が残るように。

日本語だと、みんな読めなくてデッサンのように見えるようですから、なんでもいいかと、ちょっとだけ、アンドレ・ブルトンのまねっこをしてみました。

それはEcriture Automatique(自動書記)と言って、先入観を介在させず、何者かが憑依したように記述するという方法です。

ブルトンは、すごい速さで何も考えず書き続けることで、意識下の世界を反映しようとしたのです。

やってみると結構と楽しい。こういう形で作品に挿入して行くのもいいかもしれません。

暗黒舞踏の土方巽が書いた「病める姫君」などは、自動書記の方法で書かれたのではと思えるような句読点のないすごい文章です。

意味を求めて読んでみても、きっと意味のないことなんだろうな。

即興音楽の授業でも、アートセラピーの授業でも、何も考えずに自国の言葉で喋りまくるということをやらされましたが、無意識にしゃべる言葉を音に乗せてみるということで、考えることから解放されるのかもしれません。

でも、頭を空っぽにしてしゃべるというのはとても難しい。

考えると何も出てきませんから。

即興音楽の授業では、結構みんな平気でやっていました。

特に、スペイン語の人、インドネシア語の人のパフォーマンスは面白かった。

なぜ私はできないのでしょう。

私にとっては書くほうが楽な気がします。それは、文字が次々に見える形で現れてくるからかもしれません。

空間に投げ出せる言葉は見ることができないし、イントネーションとか、声の大きさとか、体がどうにかしなければいけません。

体と頭が切り離されているのかなあ。

 

プレゼントはクリスマスの日に開けてみました。

 

小さなハリネズミ。


プリントされた写真と金属の塊。


ビー玉どんぐり。

クジラのタロットカード。

 

ラベンダーのデオドラントとバーム。

 

アフリカの布のバッチ。


金箔を貼ったピスタチオ。


他には、白いチョーク、レンズ豆、花の種、フォンドボーの瓶ずめ、猫の塩入れ、折り紙のカエルなどなどがありました。

 

あと、カードが一枚。そこに書いてあったのは、

「4分31分ダンス」

「探しなさい。Chakkani Ckukka

なんだろうと思ってネットで探したら、これでした。

 

https://www.youtube.com/watch?v=J-67YM_Huc4 

 

踊れるか???

ありがとう。素敵なプレゼント。

 



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