ベルギーでは、ロックダウンの継続が発表されました。
各商店、美術館はオープンしますが、飲食店の再会は来年まで持ち越されました。
クリスマスマーケットもなし。
家族以外で招待できる人は一人だけ。静かなクリスマスになりそうです。
厳しい判断ですが、とにかく死者を0人にしたいということらしいです。
フランスは、クリスマス商戦に合わせて緩くなりそうと聞いていたので、ベルギー政府の決断には驚きました。でも、今が頑張り時ですね。
ブリュッセルのグランプラスには、やっと例年通りツリーが飾られました。
さて、最近、オランダのアイントフォーヘンに住んでいる友人の圭子さんがポッドキャストを始め、光栄な第2回目の録音でインタビューを受けました。
圭子さんのnoteのブログからも聞くことができます。
圭子さんとは、もう15年以上の付き合いです。何年からだったかはうろ覚え。ちょうどミクシーが流行っているころで、海外在住日本人の相談コミュを活用させてもらっていました。
ヨーロッパで手に入る食材や料理の仕方など参考にしていました。
私はそこで知り合ったと思っていたのですが、もしかしたら、誰かに紹介されたのかも。。。
これもうろ覚えです。
もう一人、アントワープに住んでいたミドリちゃんとオフ会をしようということになり、ブリュッセル、アイントフォーヘンのちょうど真ん中あたりにあるアントワープで落ち合ったのが最初の出会いです。その時は、こんな長い付き合いになるとは思っていませんでした。
圭子さんはイタリア人の旦那さんと暮らしていてお料理が上手。
お互い食いしんぼうだし、会う時は必ず何かを食べています。あとは美味しいワイン。
彼女の家では、いつもプロセッコを飲みながら美味しいパスタのランチをご馳走になります。
一緒に散歩したり、デザインエクスポに行ったり(アイントフォーヘンでは毎年デザインウイークというイベントが開かれます)、 すっかり甘やかされた子猫のよう。喉がゴロゴロ鳴りそうです。
最近はブリュッセルから直通の格安バスがあります。2時間ぐらいですから、居眠りしている間に到着してしまうのがありがたい。
圭子さんは帰りのバスに乗る時には、おにぎりを持たせてくれたりするのです。まるでお母さんですね。
アイントフォーヘンは、オランダの南に位置していて、もともとフィリップスの本社があったところです。電車でも2時間半。
アントワープを過ぎると、次の駅はもうオランダです。
あっというまに国境を越えることができるのです。ベルギーもオランダも小さい国ですから。
ブリュッセルでテロ事件があった日、私とブルノーは呑気にも、ボッシュ生誕五百年記念の展示を見に出かけていました。
ボッシュが生まれたとされているオランダのDen Bosch(デンボス)まで出かけて、日帰りで帰るつもりでした。ところが、朝、空港とメトロの一部が爆破され、ブリュッセルは大騒ぎになっていました。
私たちも、アントワープの乗り換えでたくさんの警察官を見かけるなど不穏な雰囲気を感じていましたが、「何かあったらしい」というぐらいの情報しかありませんでした。当時二人ともスマートフォンを持っていなかったので。
素晴らしい展覧会を堪能し、綺麗な街を散策して帰る時間になった頃、圭子さんから電話があり、「国境が閉鎖されたかも」というニュース。
この辺り、今思い返してみると、スリランカにいる時と似たような状況でした。国境で右往左往する運命なのか。
この時の、「もし、オランダから出られないのならうちにおいでよ」というありがたい圭子さんのお言葉。私は、あの美味しいパスタが食べられると思うと、すぐに「お世話になります」と言いそうになっていました。
ところがブルノーは、自分の母親に電話をして「どうやら電車は国境で止まっていないようだ」という情報を得ていました。
このオランダとベルギーのニュースの違いというのは、どういうわけなのでしょうね。オランダは閉めたくてもベルギー側からはスカスカってことでしょうか。
ブルノーは次の日に用事があったし、できれば今日中にブリュッセルに帰りたい、ということで、お母さん情報にかけてみることにしました。
結局、各駅停車の電車しか運行していなかったものの、なんのコントロールもなく、スムーズにブリュッセルに帰ってきてしまいました。
私としては、圭子さんのお家でのんびりしたかったのに。
圭子さんは「やっぱり、ベルギーってゆるゆるよねー。」と笑っていました。
圭子さんは写真家でもあります。
私は圭子さんの撮る写真が大好きです。
とても色気があるし、ダブルイメージを使った写真はどこかシュールでもあり、彼女は、目に見えないものを感じてそれをビジュアルとして表現できる人なのだと感じます。
もともと巫女体質だそう。数々のお告げが当たっていたりしますから、
圭子さんが突然言い出す助言は、なるべく聞くようにしています。
今まで、彼女は私の写真をたくさん撮ってくれました。
旅行も一緒にしましたし、彼女がベルギーに来た時は、いつも撮影する体制で来ていますから、いいカメラを持ってきています。
彼女の作品になったものもあり、ポートレートとして受け取ったものもあります。他の人には撮れない写真をたくさん受け取りました。
私の大切な宝物です。
インタビューの中に出てくる「夜と霧」という本は、もともと圭子さんから借りたものだと勘違いしていました。
私の中で、「夜と霧」は圭子さんが絶対に持っていそうな類の本だったのですが。
私たちは本もたくさんシェアしています。ヨーロッパで本を手に入れるのは日本にいる時よりずっと難しい。好きな本というと尚更です。
二人とも、深くて底まで沈みそうになるような作品が好きなのです。
そこには、思考の深さと、詩のような美的感覚と、微妙にグロテクスなものがあるような気がします。アート作品もそうです。
本当にそうなのかは圭子さんにも確認してみないといけませんが、私は勝手にそう思っています。
様々な作品を通して感じたことを圭子さんと共有することで、自分の感覚を再認識できること。それについて二人で話すことは貴重な時間なのです。
今回のポッドキャストのインタビューは、その延長線上にあります。短い時間なので、テーマを選ばなければなりませんが、ネタはいくらでもあるのです。
実は、圭子さんがポットキャストを本当に始めたというのは驚きでした。
今年は、例年とは全く違う一年でしたから、今までやったことのないことをやってみたいと、誰もが思う時期なのかもしれません。
彼女の ポッドキャストはアーティストをバックアップする番組です。
喋り出すと止まらなくて、 具合が悪い時もずっと喋っていられる圭子さんはすごいなと思っていましたが、今回は完全に聞き役です。
そのギャップがまた面白い。
友達というのは、長年付き合っていてもいろんな新しい面を発見できるものです。それはパートナーも一緒ですけど。
だからこそ人間ってやめられない。
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