七つの丘の国


9月に入って、すっかり寒くなりました。

寒くなると、すぐ体が固まって病気になります。ほとんどゾンビです。

人は私のことを爬虫類と呼びます。気温の変化に体調が極端に左右されるからです。これ以上寒くなるのが怖い。

9月中に、もう一度インディアンサマーがやってくるという噂なので、心待ちにしています。

先日は、高い熱が出て4日間寝込みました。あわやコロナでは、と思いましたがPCR検査で陰性でした。

ほっとしましたが、予約していたポルセレーヌのワークショップはキャンセルしなければならなかったし、病院に行ってもすぐ検査できないなど、色々ありました。

この時期、ちょっとした病気でも気になりますよね。もし陽性だったら、最近会った人全員に連絡しなければなりません。 

 

さて、今年の8月は本当に暑かった。

去年の熱風とは違って、ただジリジリと照りつける太陽の下、私はパートナーのブルノーと二人でSept collinesという地域に出かけました。

なぜかというと、先日のレシンヌでの展示で出逢った「ユーグ」という人が、がそこに住んでいると聞いたからです。


ブルノーは、Sept collines (七つの丘)という名前に魅入られてしまったようで、夏休みにはそこへ行くのだ、と決めてました。

平たい国ベルギーに生まれたブルノーは山が好き。

せめて丘と森が広がるところに住みたいと考えているようです。

以前から田舎で家を探そうと話していましたから、そろそろお告げが来たのでしょうね。

どんなに私が尻を叩いても動きませんが、自分がこれと思ったら早いというのは、今回のことで初めて知りました。

 

レシンヌの展示の話がこちら。 

https://sachiyohonda.blogspot.com/2020/08/blog-post.html 

 

地図で見てみると、七つの丘と呼ばれる場所は、Pay de colline(丘の国)と書かれていて、緩やかな丘が広がる綺麗なところです。  

ちょうどフランドル地方とワロン地方の境界の南に位置していて、ワロン地方に属しています。

以前も書きましたが、ベルギーは北はオランダ語、南はフランス語を話していて、2000年前から、ゲルマン人とラテン人の交わらない境界がベルギー国の真ん中にあるのです。車で通り抜けると、街並みが全く違うのがよくわかります。

 

私たちが泊まったエコファームのキャンプ場がある村には、開いているカフェが一軒もありませんでした。 どうしてもコーヒーが飲みたくて、村の中心の駐車場で車を降りてきた人に聞いてみました。

すると「私は、生まれてから一度もカフェに入ったことがないのだ。」と言って、そそくさと教会に入って行きました。神様はカフェに行くのを禁じているのかしらん。修道院でビールを作っているのにねえ。

ベルギーは一応カトリックの国です。時々そういう真面目な人もいますが、教会にいかない人がほとんどです。 仕方なく、車でフラマン側の街に行ってみると、駅前の大きなカフェが朝から開いていました。

 

エコファームには、思ったよりたくさんの人が泊っていました。

コロナで海外に出にくくなっているので、近場の人気があるようです。

ほとんどは家族づれで、キャンピングカーで来ています

ですから、何かを他の人とシェアすることもないし、今の時期にはちょうどいい旅の方法なのかも。

他の家族の暮らしぶりを横目で見ているのも、なかなか楽しかった。

コンゴ人とベルギー人のカップルの子供たちは超可愛くて、隣のフラマン人の子供たちと徐々に仲良くなって、最後には一緒に遊んでいました。

彼らの連れてきた2匹の犬は、放し飼いにしていたら一部の家族に嫌われて、テーブルに結び付けられたままになっていました。ちょっとかわいそう。

隣のキャンピングカーの人は、毎日アコーデオンの練習をしていました。

毎年3ヶ月はここに泊っている人もいて、息子がファームの手伝いをしているとか。フランスから夏の間だけ農場を手伝いにきている家族もいました。

今は家族だけで農業を続けていくのは大変です。いろんなところから、シーズンの時だけ、時間がある人たちをを集めるのも一つの方法です。手伝う方も手伝われる方も、家族単位だというのは面白いな。

農場にはBIOショップもあり、自分のところで作っている卵や牛乳、シードルなども売っています。

 

                

 
 

 

そして、もちろんユーグのお家にもお邪魔しました。

思っていた通りの隠れ屋。細い道の突き当たりにある木々が生い茂る場所に、手作り風の小さな家が建っています。平屋ですがロフトを作って寝室にしています。

もはや、キャンピングカーと大差ない感じ。

ユーグは飄々とした感じの人で、長い間スロベニアでフランス語の先生をしていたそうです。

今は「MAYAK」という季刊雑誌をひとりで発行しています。

http://revues.be/mayak 


 

シリア難民の写真とインビューの特集をしたり、マリ人のシャーマンとつるんだりしているのです。心のボーダーがない感じです。

私たちはこういうタイプの人とすぐ仲良くなってしまします。

庭には放し飼いの鶏がいて、母鳥が子供達に木登りを教えています。

ちょっとしたパラダイス。

 


この日は、イギリス人のアンドリューもきていました。彼は、エブリンのアトリエの近くの運河に停泊する船に住んでいます。

自分の船で長いこと旅をしてきましたが、ここに来て初めて定住しようと思ったそうです。

ですから、レシンヌの川沿いに土地を安く買い、船を停泊させつつ野菜を作る、と言っていました。犬と二人暮らし。今欲しいのは恋人。

実は、あとからエブリンに聞いたところ、彼女はアンドリューにすでにナンパされてました。。。有言実行です。彼女は「無理無理ー」と大笑いしていましたが。

その日はみんなでワインを何本開けたのか。。。ブルノーの帰りの運転は流石に怖かった。

 

近くに面白い友達が住んでいるのはとても大切なこと。ユーグもエブリンも、いい物件を見つけたら教えてくれると言ってました。心強い限りです。 

 

最後に、気になっていた丘の上のカフェに行ってみました。

道沿いにある小さな建物ですが、裏は見晴らしのいい原っぱです。テラスの木の下でゆっくり休むことのできる、いいかんじの場所。

オーナーはブルガリア人の女の方。

どうやってこの物件を見つけたか聞いてみました。

空き家になってから買いたい人はいっぱいいたけど、大家さんはなかなか売ろうとしなかったそうです。彼女の旦那さんのコネクションで、大家さんと直接交渉してゲットしたということです。

この地方はフラマン人に人気があるので、いいのはすぐになくなっちゃうよ。と言われました。彼女の旦那さんもフラマン人。もう少し土地を買い足して、バカンス村みたいなものを作りたいとか。お金持っていそうだなー。

私たちもいいお家が見つかるといいのですが。

 

 

続編もぼちぼち書くことになりそうです。

 

 
カフェの名前が面白い。私の小さな写真カフェ。
 

 


 

 

 


 









 


 

  


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