冒険する子供たち

猫のピプンは、友達にもらわれて行きました。
隣のマダムは帰ってきたらしい???
隣からご飯を食べに来ていたピプンの兄ちゃんは、もう来なくなりました。
その後、彼女は、動物を引き取りに行くのか解りませんが、別れはいろんなところにあるものです。


以降、ピプンのいる間に日本から来た友人に当てたメールと、その返事。

まどかさん。
あれ、書き間違えた。ミプンではなくピプンです。
今はもらわれて、プルフになりました。池に落ちた時の音、Ploufから来ています。
友達からのメールで、「こっちでもすぐ慣れて元気だよっ」てってことです。
実は一昨日、庭に出していたら、ピプンがニーニーのマネをして、木に登り始めたんです。
塀に面した細い木です。
鳴き声がしたので、見てみると、一番下の枝の分かれ目にいて、おりれなくなっていました。まだ、はしごで手が届く高さだったので、はしごをハナレから出して助けようとしたんですが、ニーニーが、がたがたいう音に驚いて、ピプンがへばりついてる木を一気に駆け上がったんです。ピプンは、押されてもっと上に行ってしまいました。
上は枝も細いし、大きなはしごがかけられるほど強くない。
ピプンは、細い枝につかまってゆらゆらしているし。彼がいるのは、猫といえど落ちたら怪我しそうな高さです。とにかく、高いはしごを持って来て、塀に立てかけたんですが、枝が塀から遠くて、手が届かない。
わたしは、一瞬パニックになりましたが、頭をフル回転させて、とにかく、ピプンが落ちる前にできることを考えました。そこで、段ボールを切ったものを2枚あわせて橋をつくりました。
それをなんとか、ピプンのいる枝に引っかけ、片方は同じ高さの塀の上に置きました。
猫は恐がりなので、橋があっても渡れないケースも多いため(昔うちにいた猫を救出するべく、かごにひもを付けておろした時には全く効力がなく、猫は入ってくれませんでした。)どうだろうと思っていたんですが、不安定にゆらゆらしていたピプンが、橋のはっこに腰を下ろして、何とか落ち着いたとき、反対側から、「ピプンおいで、おいで」と呼んだら、ちゃんと来たんですよー。そろそろと段ボールの橋を渡ったんです。

塀の上に到着した時に、首ねっこつかんでだっこし、はしごをおりました。
本当に生きた心地がしなかった。子供って、目が離せない。猫も人間も一緒ですね。
ピプンが橋を渡ってくれたことがうれしくて、「ピプンはすごいね、偉かったね」と何度もほめてる自分がいるのに気づいて、親ばか?と思ったり。

そんな話を、電話でブルノーにしたらすごく怒ってて、「だから外にだすには早すぎたんだ」とか、「もっと高い木に登ってたらどうする」とか言って ました。
でも、子供が冒険するのは普通だし、そこにリスクがあるのも当然で、外で生き生きと遊ぶピプンを見ていたら、木に登ったことだって、成長する過程でのことですから、わたしは、リスクを考えて何もさせないわかにはいかないな、と感じてしまいます。
自分の子供時代も、勝手にふらふらとどこにでも行ったし、水たまりができればそこに入ったし、山や畑で転んで怪我もしたけど、今考えれば、それが、わたしの成長の一部となったのかななと思います。つまり、ずぶとくなったということです。
ブリュッセルでは、子供がいつも大人に管理されててかわいそうだなと思ったりします。
ブルノーの心配性は、そういうところから来ているのかな。

ピプンのいた3週間で、いろんな楽しいことが経験できてよかった。
不思議なことにピプンが頭の上で寝てるときのフワフワ感や、顔をなめたときのザリザリ感が、身体に残ってるんです。
赤ちゃんの時代を共有させてもらえるのは、ちょっとした贈り物ですね。
もらってくれた友達は、ピプンに「ずっと一緒にいようね。一緒に年をとろうね」と言っていたので、ピプンは幸せに暮らせると思います。
昨日、となりの人が帰って来たようで、ニーニーは餌を食べにこなくなりました。
なんだか、急にまわりが静かになりました。
ピプン危機一髪の写真を添付します。最初は写真なんて撮って余裕だったんです。
2枚目は、ピプンが渡った橋。


さちよ


さちよちゃん

ピプンの話、感激です!
(ちなみに私はピンプンと思っていたので、やはり勘違いです)

木をよじ登ったことも、気を落ち着かせて橋を渡ったことも、
小さな子って日々進歩しているんだなと思いました。

Brunoは、まあ心配性なおとうさんということで、いいんじゃないですか(笑)。
そういえば、私だって引っ込み思案な子だったなと思う一方で、ずいぶん
乱暴なことしてたのも思い出します。

子供って、痛い目にあって進歩していくんだよね。
添付ファイルのピプンを見たら、ちょっと涙ぐんでしまいました。

猫好きでも飼ったことは一度もないので、ごく短い日々とはいえ、ピプンと一緒だった
時間は一緒の宝物ですよ。

まどか






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