Image Mentales

2月25日に、学校の授業の一環で、Espace Delvauxの「Le Festival Image Mentale」に行きました。
精神病や障害者に関するドキュメンタリー映画祭です。
丸一日映画を見てたので、流石にふらふらです。
司会の人がカンヌのようにしたいと(冗談で)言ってましたが、テーマが重すぎて無理でしょうね。でも、良い作品ばかりでした。

わたしが見た映画は5本で(ひゃー)、休憩のたびにコーヒーを飲み、最後は胃が痛くなりました。


最初の映画は、Lame de fond. ペリンヌ=ミッシェルさんの作品で、ほとんどが本人のディアローグでできている、とても個人的な物語。自分で撮影しているので、本人の姿は一度も出てきません。ディスカッションの時に見ると、かわいくて感受性のつよそうな若い女の人でした。
両親の家を売ることになったことから始まり、本人が精神病院に入っていた時に撮った映像もあり、ほとんどオートセラピーをやったのかと思うような映像です。



 2本目は、Matthew's Low。マーク=シュミットさんの作品。おさななじみの友達を撮影したもの。マチュアーの小さくて乱雑なアパートの中は、それでも、彼の世界が凝縮されている。
カフェで監督と少し話しをしました。最初は、プラベートと仕事を混ぜるのは嫌で躊躇していたのですがお兄さんに勧められて撮ることにしたそうです。
撮る側と撮られる側の信頼関係がよく解ります。
最後は悲しい結末になりますが、そういうことも乗り越えてこその、ドキュメンタリー作家というものなのかな。



3本目は、La porte ouvert。自閉症の子供たちの施設での生活を淡々と撮影した作品。
監督のクレモンス=エベールは、人類学の先生で、彼女のはじめての映画作品だそうです。
施設で働く若い男の子たちがなかなか素敵でした(何みてるのやら)。
子供たちに対しての愛情を感じました。



4本目は、La chasse de Snark。問題のある青少年を預かる施設のドキュメンタリーです。
15、6歳の子供たちの、言葉遣いというのは、なかなかすごかった。
常に、「ファック」とか「シット」とか言っているようなものです。スタッフの人たちが、それぞれ自分のやり方で、子供たちと込みミュケーションをとっていて、映画を見ているわたしたちにも、それぞれの子の問題が見えてきます。
やっぱり、家族の問題が一番大きいように思いました。
ベルギーはヨーロッパでも一番離婚率が高いし、子供たちも、色んなとばっちりを受けていますよね。監督は、この日は来ていませんでしたが、一年通って撮った作品だそうで、やっぱり、子供たちとの信頼関係がないと、こういう映画は撮れません。



最後は Les Z'Entonnoirs。おもしろい名前だけど、アントナン=アルトーの名前とも掛けてあるのかな?
8年間続いているラジオ番組のドキュメンタリーだそうです。
スタッフと、精神障害をもつメンバーの人たちが、ゲストを囲んで好きに話すんですが、ここでは、健常者も障害者も医者も同等に話しのできる場所として存続しています。
4本とも重い映画だったので、この映画で、最後笑って帰ることができました。
スタッフもメンバーも、個性的で面白かった。
しかし、さすがにへとへとで、実際にメンバーや監督が舞台に上がって話している途中に帰らせてもらいました。

なんというメンタルな一日。
現場の映像を見るという意味でも、ドキュメンタリー映画作家の仕事を見るという面でも充実した一日でした。

おしまい。




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