Kamera Kids

きのう、大学でQuestion d'Artistiqueの授業がありました。
先生は、すごくおっきなコンゴ人のトマ。
彼の授業はいつも面白い。
答えを言わずに生徒たちにまず議論させたりするんだけど、なんとなく生徒をあおっている感じもする授業内容です。
トマは、美術の教職を取るための学校でも教えてて、そこに通っていた友達が、オーラルの試験の時に泣いたと言っていました。その友人はトマが嫌いです。
そんな話しを学校であった昼食会で、直接トマに話したら、「それは彼が僕が聞いたこと違うことを話していたからだよ。でも、今年の教職の試験でも、2人泣いた生徒がいた。」と言っていました。うう、今から試験が恐ろしい。
トマが言うには、「自分はプレッシャーをかけてるつもりはなくて、自然にしているんだけど、人は僕を鏡みたいにみるらしいね。」 だそうなんです。
わたしの試験のときには、彼に自分を写したりしないよう、気をつけなきゃ。
自分だけに集中っ。

ところで、トマの授業でみたドキュメンタリー映画、カメラキッズはすごくよかった。
原題は、「Born Into Brothels」。2004年にオスカーで賞をとった作品です。



カルカッタの娼婦街で生まれた子供たちに、ニューヨークから来た写真家の女性が写真を教えるんだけど、この写真家の真剣さに心をうたれます。ほんとにすごい。
また、子供だちも、ひとりひとりのキャラクターがはっきりしてておもしろい。
娼婦をしながら生計を立てている家族は、おかあさんも、おばあちゃんも、お姉さんも、皆娼婦の仕事をしてきたわけで、子供たちは学校にも行っていないし、社会的には存在していないようなもの。
わたしは、カルカッタには3回行っていて、友達もいるし、展覧会もしたことがありますが、娼婦街には行ったことはありません。
でも、貧富の差は、ほんとうにはげしくて、イギリス植民地時代に造られた大きなゴルフ場の中の豪華さと、高い壁を隔てて外の貧しさの差というのは半端ではありませんでした。

写真を通して別の視点を得ることで、子供たちの人生が変わって行くところが、とてもよく撮られています。

紹介した動画は、全編見れるようなので、是非見てもらいたい。

しばらくインドには行ってないんですが、20年位前に初めての展覧会をカルカッタでしたとき、友達の息子、ジャンパはまだ3歳だったんです。
わたしの絵の上に、思いっきりおしっこしたんですが今はもうおとなになっちゃったろうなー。よく、会うたびに小さい頃の同じ話しをするおばさんがいるけど、そんな風になっちゃいそう。
ジャンパには、14歳の時にもう一回会っていますが、そのときは、勉強が大変そうだった。
学校の授業は英語だし、ヒンズー語もベンガル語も勉強しなきゃいけなかったから。

今のインドは経済成長のまっただ中で、いろんな事がすでに変ったり、別のことが変りつつあると思います。そろそろ行ってみるかなあ。

今、夜のアートアカデミーで知り合ったインド人のおばさんから借りた本を読んでいます。White Tiger」という本 。おすすめなんだそうです。


そういえば、カルカッタ動物園にはホワイトタイガーがいた。もう死んじゃったかな。

英語の本は、いつもなかなか読みきらないんですが、これはけっこうはまります。最後まで読めそう。

貧富の差っていったいなんだろう?で考えます。
富というのは、ほこりのように、暗いところに人知れずたまっていくようなもののような感じがします。掃除しないと、いつまでもたまったまんまです。











Zana Briski

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