Mer de Nord オランダ国境の西

夏の間は、日本を縦断し、鹿児島で、アートフェスディバルに参加して、熱い毎日を送っておりました。
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さて、ベルギー最後の夏の日、バカンス最後の土曜日です。
サブリとアンナフランソワーズが、「明後日は暑くなるから、絶対に海に行く」と、鼻息も荒く、わたしも便乗することになりました。

ところが前日、オランダの映画監督、Johan van der Keukenのドキュメンタリー、プラットジャングル を見てしまったのです。北海のうみの幸や、ゴカイをとる漁師たちや根こそぎゴカイを機械で掘り出してる会社のはなしやらで、最後に原発の建設反対デモで終わっていました。


 
今まで気にしていなかったオランダの原発、どこにあるかと調べてみると、ベルギー国境のすぐ向こう側の半島にあるのでした。


次の日、海水浴にいくところのすぐ東です。
他にも。ベルギーの原発が二つ、さほど遠くないところにあります。
 かなりショック。
映画では、1973年に、このボルセラ原発ができたあと、いろんな魚がいなくなったと言っています。むかしはイルカもいたそうです。
そんな海で海水浴、、、、。

サブリが隣人の車を借りたというので、取り合えず行くことにしました。

アンヌフランソワーズは、仕事が半ドンなので、午後から待ち合わせ。
彼女は、今年最後のビーチというので、かなりはしゃいでいます。
なんだか、原発のことを話すのは、気がひけてしまいます。


3人で、Zuinという、鳥を保護する自然公園の近くの海岸に行きました。
本当に、オランダの国境の手前です。このあたりは、砂丘のようになっていて、植物はブッシュで背が低く、少し寂しい感じの風景ですが、この日ぴーかん。天気予報道り、気持ちの良い 晴れ日となりました。
9月だというのに、水着でオーケー。こんなことはベルギーではめずらしい。


 ビーチにいると、あまりに暑くて、やっぱり泳いでしまいましたが、こちらが、オランダ側の、向こうに見える半島です。


そして、こちらがブルージュ側。この風景は、ゼイブルージュだと思われます。
ここは港になっているので、クレーンがたくさん立ち並んでいます。
なんだか、悲しい風景です。


このまま、ずっと海沿いに西に行くとフランス国境です。
そのむこうには、ダンケルクがあって、工場がもくもく煙を出しているのが見えます。
その向こうには、やっぱりフランスの原発があるのです。

今まで、ほとんど考えなかったことですが、北海のムールも汚染されてるのではないだろうか。
海は続いているんです。その上、北海はとても狭い。

楽しい一日だったけど、もやもやした気持ちは晴れません。
わたしたちの、世界は、気がつかない危険がそこらじゅうにあるのです。
日常に追われて、気がつかないふりをしていただけかもしれません。

日本から、福島から遠く離れていても、安全なところなど、どこにもないのだと実感した一日でした。
 

 
 












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